親父は不良だった。
空手で鍛えていた。
迫力があった。
不良でもなく迫力もない僕は、ムエタイやキックボクシングで身体を鍛え、精神を鍛えていった。
どうだろう、親父と遊べやしないだろうか?
それなりに楽しめると思うぐらいにはなっていると思うが……。
試したい。
気持ちが強い親父だったが臆する事はない。攻めて打ち合いたい。
と思う。
死んでしまったから無理なんだけれど。
精神の部分で勝負をしたいんだ。
気弱な少年だった僕がどうなったかを見せておきたかったんだ。
一度でいいから。
これはやはり……男だからだろうか。
今ならもっといい親子関係を築けているはずだぞ、きっと。