翼の末端
身体の末端には気が集中しやすいんじゃないかと思う。
思うというか、以前にそんな話を聞いた事あるよーな……ないよーな。
指先を見つめてると自然に集中力が増す。
気が溜まってんじゃないかと思い出したりもするんだ。
錯覚かもしれんけどね。
なんか切ない音楽を聴いた時は末端過敏になる。
四肢に頭に生殖器と様々。
目や耳にも末端過敏の波はやってくる。
涙を流すのはそんな時だ。
今、とっても切なくなる音楽を聴いている。
オーボエ・トランペットに特に反応する我が身。
胸が熱くなる切なさである。
末端過敏は指先にあり。
しかしながら精神は覚醒せず。
手持ち無沙汰な状態。
神経がピリッとくる何かは生身に受ける風による。
外に出なきゃ風は吹かない。
悠久の風に吹かれようじゃないか。
うわぁ、バイク乗りてぇ。
目的地はどこであれ、風を受ける感覚が今は欲しい。
空を飛ぶ事が出来たらどんなにいいだろう。
両腕を無くすのは惜しいが、翼を広げる快感を味わいたいもんである。
変幻自在な身体を夢見て文字を打つ。
なんと切ないんだろう。
目に見えない想像の翼を広げ空を舞う。
翼の末端に意識を集中して音楽を聴こう。
切ない男の物語である。