夏の季節
調子悪い。
冬にうつ病になりやすいってのは本当らしい。
まったくの逆で夏はぐだぐだなる。
昔っから夏はどこか無機質。
寂しいわけではない。哀しいわけでもない。
楽しくないわけでもない。特になんてない。
ただ、取り残された感が強まる時期である。
――夏休み、ばあちゃんの住む田舎へ行く。
蝉が鳴き、大きな雲が青空一杯に広がっている。
家の裏手には山があり、大きな木が茂る林があるんだ。
誰も居ず、人工的なものは一切ない。
あるのは自然と僕一人。
地面がひんやり冷たい。空気はすぅっとしている。
虫の声と鳥の声、木々のざわめきだけの世界。
どうしてだろうか……むなしい。――
伝えにくい感情ではあるが、生活がむなしく感じてしまう時期である。
無機質で無気力で、なんで生命は生き続けようとするのか疑問に思う。
そんな時に誰かが情熱を注いで楽しんでいる姿を見ると感動する。
「お、俺もやんなきゃ!」
触発点火しづらいのが夏。
調子悪いんだ。
間違ってんだろうなって気持ちが蝕んでくる。
雑にいきたいんだ。大雑把にドカンとスカッと。
今年こそは。
毎年そう思いながらやってきた。
さて、今回の夏はどうだろうか?
刺激で夏を覚醒させろ。