ぐて書き 第三期

良いところも悪いところも全部ひっくるめて自分なんだから ここにぐて書きして記憶を残しておこう

花火の思い出は強く印象に残る

大濠公園で花火大会があった。
僕はマンションの屋上でのんびり観賞しようと決めてた。
恋人や彼女がいたなら会場へ足を運んでも良かったかもしれない。
そんな相手はおらず、遠くから眺める事で満足できるから遠くで良かった。
 
午後8時に花火が始まる。
光と音のズレが距離を感じさせたが悪くは無かった。
折りたたみの椅子と缶チューハイとタバコを持って屋上へ。
誰もいなかった。
こんなとこ、誰もこないだろうと一人で花火を眺めていたんだ。
 
大濠の花火を見に行った昔の自分、各地での花火の思い出が甦って寂しさを味わっていた。
いい酒を飲んでいた。
 
『こんばんは』
!?
後ろから女の子の声が聞こえ、振り向くと一人の若い女の子がいた。
『まさか、先客がいるとは……花火、見えます?』
と、挨拶を交わすのは同じマンションの住人。
持っていた缶チョーハイを渡して二人で花火を観賞。
 
聞けば僕より10も若く、大濠の花火は2度目だという。
去年は彼氏と行ったが今年は恋人おらず。
この子もたまに屋上に上ってくるらしい。
僕もたまに上るが、誰かに会ったのは今回が初めてだ。
 
同じ中学校の出身であった。
遠い後輩と出会った瞬間である。
佐世保の話、福岡の話、男女の話。
『どんな女性がタイプなんですか?』と。
これはチャンスだと思った。
「かわいい」とか「きれい」とか「やさしい」とか「明るい」とかじゃなくて……ね。
そういった台詞は言い飽きたし聞き飽きたであろう。
僕はこう言ったんだ。
「セックスが好きな女」
 
初対面の若い女性に言ってみて思ったが、あながち変な感じはない。
むしろこれは正しいのかと思える答えである。のである。
説明はそっから始めれば納得がいきやすい。
言ってしまったもん勝ちでもあるのかな。
 
屋上で出会った女の子をどうこうしようとは思ってはいない。
求める異性のタイプが違いすぎるのだ。
出会い方はすごく感動的で素敵なんだけれどね、今はその気にはなっていない。
これからどんな関係が築いていけるのか楽しみである。
どこまで続くかも楽しみである。
 
花火での思い出がまたひとつ増えた日だった。