確定から未定
約束がダメになった。
よくある事だ。いつもスムーズには運んでくれない。
毎度の事なので、キャンセルには幾分慣れがある。
相変わらず寂しいもんだけどね。
外せない理由があるのだろう。
しかたのない事だ。
それはわかる。
が、次は?
「○日、無理だ」
「またの機会に」
……はぁ。
時間は流れてるんだ。次を偶然に頼っていいものだろうか。
人間は心変わりをする。
だからこそ今の気持ちを押し出しておきたい。
と、思う。
こんなやりとりが何度も続くと気分が滅入る。
濁す様な言葉で締めくくられたくはない。
とても寂しい。
そして一番嫌だと思うのが自分。
約束はダメになったのだから、間違いなく他の事をしなきゃならない。
ダメになった約束なんて忘れてしまえばいい。
のに。
なのに、切り替えたスイッチはなかなか戻せない。
慣れたと言えども、そう簡単に切り替えられないのが嫌な所だ。
お互いに次がどんな形で訪れるかわからない。
二度と巡ってこない事だって考えられる。
「今すぐ」でなきゃ時間を喰ってしまうのだ。
想いは流されていくのだ。
なんとも小さい男の話である。
あほくさいったらありゃしない。
「そんな暇があるんなら、光に向かえ」
光あるうちに。