ぐて書き 第三期

良いところも悪いところも全部ひっくるめて自分なんだから ここにぐて書きして記憶を残しておこう

陽が昇る頃に呷る酒

酒を飲んだ初めての時は覚えていない 

きっと親の飲んでいる酒をちょっと味見したのがそれだろうが 自ら酒場に通って金出して飲んだのは大人になってからだ

いつから飲み始めたかを書き残したいわけじゃなくて 新しい飲み方が見つかったので嬉しくなっている

 

酒場に通い出した頃 きっかけは一人暮らしの晩御飯だった

炊事は簡単な事は出来たものの 煮たり焼いたりは適当で正直下手で不味い 食材を無駄にする体たらく

まだ若かったので鉄板焼き屋を本当にお好み焼き屋だと思って入ってしまう

カウンターだけの狭い店内 大将と相方さんでやってる店だった 二人の関係も後から知るのだが 当時は知らない世界なので一切気付かずやり過ごす

酒を飲もうなんて微塵も思っていなかったがそこは酒場だ 客さんは皆ビールやら焼酎やらを飲んでいる 今考えれば当たり前の事なのだが 初めての酒場はこの時だった

 

初めての大人達の会話に酒場の空気が妙に心地良く あの店内の狭さと大人達の優しい絡みが嬉しくて感動してたんだ

人生で初めて酒を注文する そば焼酎 雲海 これが初めての酒だといえる

お隣さんの真似でロックで飲むが すぐにアルコールに飲まれて酔っぱらってしまう 心地良い瞬間の到来だ 嬉しかった セックスとアルコールには感動ばかりさせられてしまう

 

それから友人たちと酒を飲む機会が増えていくわけだが 当初の感動は薄れてしまい ただ単純に楽しい酒が人付き合いの道具になってしまっていた

飲み会でわいわいするのが一番だと 飲みで繋がる人脈が大切なんだと そんな感じに思えてきていた

確かに酔っぱらうのは楽しいし はしゃいで乱痴気騒ぎも最高だった 腹いっぱい飲んで歌って踊って寝て起きて それが大人の社交場なんだと思った

 

若さを失い 年齢としては子供を育てる段階に入り 飲み方が少し変化した

無茶な飲み潰れは避ける様になり 顔を売る行為も慎み 出しゃばらない様にする事が良いと思える思考になってきた 

初めての酒場で出会った大人たちの態度がそこにある 思い返せば懐かしくて感傷的になってしまう

夜中に騒がなくなると 昼間に飲んで夕方帰るといった行動になった

時代の流れも手伝い 昼間に開ける店が増えてきた頃だった お天道様が出てる時間から酒を飲む快楽にしばらくは浸っていた

夜の酒場に出かける事が少なくなってしまい たまに出かけると こんなに可愛い女の子がいるんだなと思ってしまう 

 

昼飲み なんて言葉も出来てしまって 巷では酔いたい連中がわいわいとやっている 年齢層も様々だ ひとつの時代の完成といえよう

昼飲み文化の定着 それは感動の終着 昼間飲む事は普通になったのだ それはそれで切ない

 

それはさておき 久々に手コキ屋に行きたくなった  

なんと7時からやっている 朝の7時に抜きに行ってその後はどうすんのと思って近くに酒場がないか調べてみた

素晴らしい事にあった24時間やってる店が

これは朝飲みが出来るって事じゃないのか 一日の始まりに酒が飲めるじゃないか わざわざ早起きして行く意味があるじゃないか

24時間営業の酒場 掃除はいつやってるんだとの不安はあるものの 朝飲みを一度経験しておくのも悪くないな

軽く飲んで一発抜いて一杯飲んで帰る まだ午前中だ すごい景色なんじゃないかな

 

酒場に行くのは夜だと思っていた若者がいつしか明るい時間に飲む楽しさを知り 歳を重ね今度は朝に飲もうとしている

夜勤をしていた頃に考えてた事がある 

酒場の多くは夜に営業する 仕事によっては朝方帰る人たちがいる 朝方からオープンして夕方には閉める そんな立ち飲み屋があって欲しいなと思っていた

疲れた体に朝陽と共に生ビールを飲んで お疲れさん をいう そんな時間が欲しかった

味わってみよう そんな時間を